活動のきっかけ

 今では、中国製ばかりになってしまいましたが、「線香花火」は日本発祥の元祖がん具花火です。
 鉄砲と共に伝来した「黒色火薬」は、天下太平の江戸時代に、一部が花火用として改良されていきます。
配合比を爆発しにくく火球ができるように変え、松煙(松を燃やした時に出るすす)を加えた線香花火もその一つです。兵器用だった火薬を観賞用花火として平和利用した煙火師さんたちの素晴らしい発明品です。
 
 その伝統的な作製法を見つけ出し、「青少年のための科学の祭典」(H4〜)で、神奈川県の高校教師横山一郎氏がはじめた「線香花火作り」は、子どもたちや親世代にも大人気のブースとして「科学の祭典」とともに全国に普及。私もこの祭典で横山先生と線香花火作りに出会いました。

 H22、原子力安全・保安院(当時の火薬類所管官庁)から、黒色火薬を使う線香花火作りは火薬類取締法により18歳未満の者には原則禁止の周知文書が出され、科学館イベントや学校から「線香花火作り」は姿を消しました。 
 指導した生徒の線香花火の火花とすすとの関係を調べた研究が規制強化の一因となったことや、この魅力的で貴重な伝統技法を埋もれさせたくなく、打開策として「おもしろ化学実験30・線香花火の簡単な作り方」伊藤秀明氏:化学と教育(39-21-1991)に掲載される「無水炭酸カリウム+硫黄+木炭」の線香花火について、火薬類には相当しないとの回答を直接当院から得ることができました。
 
 H24、武田科学振興財団「中学校理科教育振興奨励費」を活動資金に、この「非火薬線香花火」の普及活動開始。

翌年、横山チームも関孝和先生を中心に、「青少年のための科学の祭典」で「新・線香花火を作ろう」で再開させました。

 ※残念ながら2回目の奨励費による活動期間も終了し、「科学の祭典」も縮小される傾向が続いています。
せめて、HPで見つけてくれた皆さんにキットをお送りし、この魅力ある線香花火作りを楽しんでいただければ幸いです。
 

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