非火薬線香花火を作ろう
R6(2024)
※元中学理科教員が2012年に開設した「火薬を使わない線香花火」の紹介サイトです。
※今年のキット送付は終了しました。
op
線香花火は江戸時代に火縄銃の火薬から生まれた日本の伝統花火の一つです。
花火を自分で作ってみようと思う方は少ないと思いますが、一般の方が火薬を扱うことは法律で規制されているため、火薬を使って線香花火を作ることは制限されています。
でも、火球から火花が出る花火なら火薬を使わなくても作れるため、薬品を安全に扱うことができれば、小・中学生でも作ることができます。
線香花火を炭酸カリウムで作る方法は、伊藤秀明・宮本正彦氏「化学と教育」(1991)によるものです。念のため、この薬品で作る線香花火は火薬類取締法の規制対象外であることを所管省庁に確認(2010.9.29)しました。
この薬品、食品添加物の「かんすい」にも使われていますが、線香花火作りには性質上の難点があるために注意が必要です。
@蒸し暑い時期は、すぐ湿気る
⇒手早く作成、手早く着火 !
A強力洗剤並みの強アルカリ性になる
⇒特に目に入らないように要注意 !
B着火しても燃え上がらない
⇒火球を作る高温加熱が必要 !
線香花火には、こよりの「長手」とわらに火薬を付けた「すぼ手」があります。左側が市販品、右側はこのキットで作ったものです。 水引とハンドクリームで作る簡単すぼ手は生徒たちと小学生向けに開発したもので、多くの子どもたちに作ってもらいました。
しかし、昨年こんな問題が起きました !
「点灯させてる子がほぼいませんでした。こちらとしても確認不足ではございましたが硫黄の量は合っておりましたでしょうか。ご参加いただいたお子様方がすごく残念がっていました。」
※これは、提供した薬剤でWS(ワークショップ)を行った茨城のSさんからのメールです。
同時期に同じ薬剤で行った室内WSでは問題はなかったことから、昨年の猛暑・多湿下の屋外環境で薬剤が急速に湿気たか、ハンドクリームの溶け出しが起きたと考えています。
一方で、このような報告もいただきました。
「親子でこよりを薬品無しで練習してから、薬品を入れて挑戦!初めはうまく火花が出なかったのですが、慣れてきたら綺麗に松葉火花が出て楽しい実験ができました。」
※千葉のFさん親子からの「長手」成功メール
※小学生にWSを行った兵庫のSさんからの「長手」が描かれた絵手紙です。
こよりは子どもには難しいため簡単すぼ手を中心に作ってきましたが、今回の報告や今後の猛暑等も考え、キットを見直しました。
改良したキットで秋・冬のWSで親子での成功例も多く見られましたので、今年の和火キットは長手にしました。
※長さ10cmの極短こより
極短こよりでちょっとだけ簡単になった「長手」。薬剤はタレビン入りの2種類です。
着火は高温炎の「ターボ式ライター」です。100均やコンビニで購入できます。
※初めてこよりを作る人は、その指使いにかなり苦労されると思いますが、火花が出た時は「お〜っ!」と大人でも声が出ますよ。
わずかな薬剤量の違いや置き方、こよりの巻き加減、吹く風や湿度の違いで火花の出方が変わる長手牡丹の繊細さをぜひご堪能ください。
夏休みの自由研究に、線香花火をもっと調べてみようかと思った人向けキットです。
春雨を使った火の性質や線香花火の火花の出る仕組み、簡単すぼ手(溶けにくい濃厚ハンドクリーム使用)で線香花火を作る4種類の粉のはたらきを調合して調べます。
火花の原料となる炭粉をおがらをアルミホイル蒸し焼きで、松煙(すす)を樹齢200年の赤松小片を燃やし炎にアルミホイルをかざして採集する体験ができます。
キットはスマートレター(180円)でお送りします。代金(送料込み)はキットに同封する返信用封筒に84円切手を必要枚数を入れ、84円切手を貼って返送してください。
〇和火キット1個:84円切手4枚+1枚
2個:84円切手5枚+1枚
〇自由研究キット1個:84円切手4枚+1枚
〇和火キット+自由研究キット:
84円切手5枚+1枚
※+1枚は返信用封筒に貼る1枚です。
※キットはご家庭・個人向けですので、お送りできる和火キットは2個まで、自由研究キットは1個です。
※こよりは難しいため多人数・短時間のワークショップ(WS)には不向きです。
※少人数対象で時間にゆとりのあるWSを計画されている場合は、指導される方に試作していただいた上で、指導可能と判断された場合のみ後日キットで提供します。準備日程に余裕がない場合は、予めご遠慮ください。
※安全に作れるように配慮したキットですが薬品と火を扱う実験です。必ず同封する注意書をお読みの上で保護者や指導者の責任で行ってください。
なお、申し込み時に作る方の学年や年齢層をお聞きします。予めご承知おきください。
硝酸カリウムを使った花火作りは、火薬類取締法の規制対象です。火薬を使った大きな事件が続き、規制は強化されています。
特に18歳未満に関しては「理化学上の実験」でも禁止と解釈した方が賢明です。
取締法における「理化学上の実験」の法的解釈は所管省庁の経産省であり、いわゆる学校等の実験とは違う要です。私がこの活動を始めたきっかけもこの認識がなく大変な思いをしたためです。
文科省では「爆発物の原料になり得る化学物質(26初教第90号)」に指定しており、火薬による事故は警察通報義務があり、「生徒による持ち出し」は学校の管理責任が問われます。
特に中学校では、溶解度実験で使用した硝酸カリウムがまだ薬品庫に残っている時は、教育委員会にその扱いについて確認しておくことを強くお勧めします。
※この活動は、武田科学振興財団・中学校理科教育振興奨励費で下記個人が平成24年(2012)に始めました。
Profile
弓北清孝:千葉市在住の線香花火の魅力を非火薬で伝えたい中学理科教員OBです。
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